Cloudflare、過去最高売上の中で1100人レイオフ〜AI効率化が理由
ウェブセキュリティ大手Cloudflareが記録的な売上成長を達成する中、AI技術による業務効率化を理由に史上初の大規模レイオフを実施。約20%の従業員削減を発表した。

記録的売上成長の中での大規模レイオフ発表
米ウェブセキュリティ大手のCloudflareは5月7日、同社史上初となる大規模レイオフを発表し、約1100人の従業員(全従業員の約20%)を削減すると発表した。同社のマシュー・プリンスCEOは、これまで16年間の歴史で「このようなことをしたことはない」と述べている。 レイオフ発表と同時に公表された2026年第1四半期の決算では、売上高が6億3980万ドル(約639.8億円)を記録し、前年同期比34%の大幅増収を達成した。この結果は、アナリスト予想の6億2083万ドルを上回る好業績となった。
AI技術の急速な社内導入が要因
プリンスCEOとミシェル・ザトリン共同創設者は、今回のレイオフについて「コスト削減や個人の成績評価ではなく、AI エージェント時代における世界クラスの高成長企業の運営と価値創造の在り方を定義するもの」と説明している。 同社のAI利用は過去3ヶ月だけで600%以上増加しており、昨年11月を転換点として、従業員の生産性が2倍、10倍、場合によっては100倍まで向上したとしている。プリンスCEOは「手動から電動ドライバーに変わるようなもの」と例えている。
POINT
「Cloudflareには、将来に必要ではない役割がある」とプリンスCEOが説明。顧客対応やコード開発に直接関わる人材の生産性は大幅に向上したが、それをサポートする役割は今後の企業成長に必要ないと判断された。
手厚い退職パッケージと株価への影響
解雇される従業員には、2026年末まで満額の基本給を支給するという業界トップクラスの退職パッケージが提供される。同社は、レイオフに関連して1億4000万~1億5000万ドルの再構築費用を予想している。 一方、市場の反応は冷ややかで、レイオフ発表を受けて同社株価は木曜日に18%下落した。これは、AI効率化によるレイオフと増収を同時に報告するMeta、Microsoft、Amazonなどの企業とは対照的な結果となった。
AITAKE編集部の見方
Cloudflareの今回の決定は、AI時代における企業の人材戦略の大きな転換点を示している。記録的な売上成長を達成しながらも大規模レイオフを実行するという矛盾した状況は、AI技術が企業運営に与える根本的な変化を浮き彫りにしている。 プリンスCEOの「フィットだからといって、もっとフィットになれないわけではない」という発言は、AI効率化を理由としたレイオフが今後の業界スタンダードになる可能性を示唆している。一方で、株価の大幅下落は、投資家がこのような「AI合理化」戦略に対してまだ懐疑的であることを示している。 Cloudflareが2027年には2026年のどの時点よりも多くの従業員を雇用する予定だと述べている点は興味深い。これは、AI技術の進歩に適応できる人材への需要が高まる一方で、従来型の業務を担う人材の価値が急速に低下していることを意味している。日本のテック企業にとっても、AI時代の人材戦略を早急に見直す必要性が高まっている。
Source: TechCrunch