Cloudflare、史上初の大規模解雇 AI効率化で1,100名削減
インターネットセキュリティ大手Cloudflareが四半期売上高過去最高6億3,980万ドルを記録する中、AI導入による効率化を理由に労働力の20%にあたる1,100名の解雇を発表。同社初の大規模レイオフとなる。

過去最高売上と同時発表された大規模解雇
Cloudflareは創業16年で初となる大規模な人員削減を発表し、約1,100名(全従業員の約20%)を解雇すると明らかにした。同時に発表された2026年第1四半期の売上高は6億3,980万ドルとなり、前年同期比34%増で過去最高を記録した。 同社の共同創業者でCEOのMatthew Prince氏は「Cloudflareの歴史において、このようなことをしたことはない」と述べ、今回の解雇は「コスト削減策や個人のパフォーマンス評価ではなく、エージェンティックAI時代における世界トップクラスの高成長企業がどのように運営し価値を創造するかを定義することだ」と説明した。
AI導入による生産性向上が解雇の理由
Prince氏は、同社が内部でAI採用に慎重だったが、昨年11月が転換点となったと説明し、「チーム全体で大規模な生産性向上を見始め、従来の2倍、10倍、さらには100倍の生産性を持つチームメンバーが現れた」と述べた。「手動から電動ドライバーに変わるようなものだった」とし、「この3カ月間だけでCloudflareのAI使用量は600%以上増加した」と明かした。 「将来に向けて必要でない役割がCloudflareにはあることが分かった」とし、「顧客と直接話し、直接コードを作成する人々の生産性向上は素晴らしく、その背後にある多くのサポート役割は今後の企業成長を牽引する役割ではない」と説明している。
POINT
Cloudflareは人員削減後も採用を継続し、2027年には2026年のどの時点よりも多くの従業員を抱える可能性があると予測している。これはAI時代に適した新しい役割への転換を意味している。
業界最高水準の退職パッケージを提供
解雇対象者には2026年末まで全額基本給が支給され、米国の従業員には同期間の医療保険も継続され、株式権利確定は8月15日まで続く。つまり約8カ月分の給与、8カ月分の保険、数カ月の株式蓄積が1,000人以上に提供される。これはシリコンバレー基準でも例外的な手厚さとされている。 同社は関連費用として1億4,000万ドルから1億5,000万ドルの費用を見込んでおり、その大部分は第2四半期に計上される予定だ。同社は「解雇は従業員のパフォーマンスや財務困難に関連するものではない」と強調している。
AITAKE編集部の見方
Cloudflareの決断は、AI時代における企業運営の新しいモデルを示す重要な事例だ。売上成長期におけるAI効率化を理由とした人員削減は、テック業界で急速に広まるパターンとなっており、単なるコスト削減を超えた構造的変革の現れと言える。 注目すべきは同社の透明性の高いコミュニケーションと手厚い退職パッケージだ。これは他のテック企業にとってAI時代の人材戦略における新たなベンチマークとなるだろう。一方で、AIが生産性をこれほど急速に向上させる中、企業は職員を削減する前に再訓練や役割再設計、内部転換パスの創設といった義務があるのかという根本的な問題も提起している。日本のAI導入企業も、技術革新と人材戦略のバランスを慎重に検討する必要がある。
Source: TechCrunch