マスク氏、OpenAI「非営利の略奪」を証言 1340億ドル訴訟で
イーロン・マスク氏がオークランド連邦法廷でOpenAIとサム・アルトマンCEOに対する1340億ドルの訴訟で証言。同社が非営利の使命を裏切り、営利企業化したと主張している。

マスク氏が法廷で「慈善団体の盗用」を主張
イーロン・マスク氏は4月29日、オークランド連邦法廷での証言で、OpenAIへの投資について「愚か者だった」と述べ、「もし慈善団体が早く盗まれていたと思っていたら、もっと早く訴えていただろう」と語った。マスクは2024年にOpenAI、サム・アルトマンCEO、グレッグ・ブロックマン社長を相手取り訴訟を起こし、同社が非営利の約束を破ったと主張している。マスクの3800万ドルの寄付が無許可の商業目的に使用されたとしている。
1340億ドル損害賠償と企業統治改革を要求
マスクの弁護士は1月の申し立てで、マスクは最大1340億ドルの「不当利得」を受け取るべきだと述べ、OpenAIの非営利構造への復帰、アルトマンとブロックマンの取締役会からの除名、1300億ドルの損害賠償をOpenAIの非営利財団に支払うことを求めている。マスクはMicrosoftの100億ドル投資について懸念を表明し、慈善信託が破られたと感じ、Microsoftが人工汎用知能の開発を支配する可能性を心配していると証言した。
POINT
OpenAIは3月に8520億ドルの企業価値で1220億ドルの資金調達ラウンドを完了し、2026年後半のIPOを計画している。
OpenAI側は反撃「マスクが支配を失っただけ」
OpenAIの弁護士ウィリアム・サヴィット氏は陪審に対し「マスク氏がOpenAIで思い通りにならなかったからここにいる。彼は辞めて、確実に失敗すると言った。しかし私のクライアントは彼なしで成功する勇気があった」と述べた。サヴィット氏はマスクがOpenAIに10億ドルの資金提供を約束したが3800万ドルしか寄付しなかったと追及。マスクは評判などの無形資産を含めれば1億ドルを超える貢献をしたと反論した。
AITAKE編集部の見方
この訴訟は単なる企業紛争を超えて、AI業界の将来を左右する重要な判例となる可能性が高い。マスクは「AIに対する極度の懸念」を表明し、この技術が「我々全員を殺す可能性もある」と証言している。OpenAIの8520億ドルという巨額の企業価値とIPO計画を考えると、この訴訟の結果は他のAI企業の非営利から営利への転換にも大きな影響を与えるだろう。日本のAI業界にとっても、企業統治と公益性のバランスを考える上で重要な先例となりそうだ。
Source: NPR