News Corp、Meta と$1.5億の5年契約でAI訓練データ提供
ウォール・ストリート・ジャーナルやニューヨーク・ポストなどのコンテンツをMetaのAI開発に活用する契約が成立。メディア企業の新たな収益源として注目される。

大手メディア企業とテック巨人の歴史的提携
News Corp は Meta と$1億5000万の5年契約を締結し、ウォール・ストリート・ジャーナル、ニューヨーク・ポスト、その他 News Corp 傘下の出版物のコンテンツを Meta の AI 製品の訓練に使用することを許可する。この契約により Meta は年間最大5000万ドルを3年間に渡って支払い、ジャーナルや米英の News Corp ブランドのコンテンツを活用できる。 News Corp は2024年に OpenAI との間で、ジャーナル、ポスト、タイムズ、サンデー・タイムズのコンテンツを AI プラットフォームに提供する$2億5000万の5年契約を既に締結している。今回の Meta との提携により、同社は AI 企業との包括的なパートナーシップ戦略を加速させている。
News Corp CEO が示すメディア企業の新戦略
News Corp の CEO Robert Thomson は、報道機関を AI にとって価値ある「インプット」として説明し、彼らが提供する「信頼性の高い」速報ニュースや情報を強調している。Thomson は同社のアプローチを「woo and sue(懐柔と訴訟)戦略」と表現し、「私たちはあなたを懐柔します。パートナーになって欲しいのです。しかし、もしあなたが私たちのコンテンツを盗むなら、私たちはあなたを訴えます」と述べている。 Thomson は自社を AI にとって重要な「インプット企業」として位置づけ、AI の原材料を提供する「インプット企業」と破壊の脅威にさらされる可能性のある「アウトプット企業」を区別している。
POINT
この Meta と News Corp の契約は、メディア業界内での成長する理解を浮き彫りにしている:AI システムの燃料としての高品質で信頼性の高い情報の価値である。この戦略的なポジショニングにより、News Corp は AI ブームを活用し、技術の変革力を認識しながら収益源を確保することができる。
Meta の AI コンテンツライセンス戦略
Meta は CNN、Fox News、People Inc.、USA Today Co. を含む7つの複数年 AI コンテンツライセンス契約を確保し、これらのコンテンツを大規模言語モデル(LLM)である Llama に組み込んでいる。この契約により Meta AI の開発者は、ウォール・ストリート・ジャーナルや他のブランドのコンテンツをチャットボットの応答や AI モデルの訓練に使用できる。 この動きは、Meta が AI 訓練や製品開発のためにニュースコンテンツにアクセスする方法を正式化することを示しており、同社が過去2年間ニュース配信から距離を置いていたことを考えると興味深い。
AITAKE編集部の見方
この News Corp と Meta の契約は、AI 時代におけるメディア企業とテック企業の関係性の新たな局面を示している。従来「データを無料で収集される側」だったメディア企業が、積極的にライセンス契約を通じて収益化に成功している点は注目に値する。特に News Corp が年間最大5000万ドルという具体的な金額を確保したことで、他のメディア企業にとってもベンチマークとなるだろう。 一方で、この種の契約は大手メディア企業に有利な構造となっており、中小規模の出版社には同様の機会が限られる可能性がある。AI 訓練データの価値が明確化される中、日本のメディア企業も同様の戦略的パートナーシップを模索する必要性が高まっている。今後は、どの程度の品質と規模のコンテンツが AI 企業にとって価値を持つのか、その基準がより明確になることが予想される。
Source: National Today