NVIDIA、AI新時代開拓する3大モデルファミリー発表
Nemotron 3でエージェントAI、GR00T N1.7で物理AI、Proteina-Complexaで創薬AI分野を大幅拡張。企業向けオープンモデル戦略を加速

革新的な3大モデルファミリーを同時リリース
NVIDIAは3月16日のGTCで、エージェントAI向けの「Nemotron 3 omni-understanding models」、ロボットと自動運転車向けの「Isaac GR00T N1.7、Alpamayo 1.5、Cosmos 3」、そして創薬研究向けの「Proteina-Complexa model」を含む大規模なオープンモデルファミリーの拡張を発表した。同社のオープンモデル戦略は、AI開発の民主化と企業導入の加速を目指している。 特に注目すべきは、Nemotron 3 Ultraが従来比5倍のスループット効率をBlackwellプラットフォーム上で実現し、コーディングアシスタントや複雑なワークフロー自動化などのAIネイティブアプリケーションを強力にサポートする点だ。また、Nemotron 3 VoiceChatは、AIが同時に聞き取りと応答を行うリアルタイム会話機能を提供する。
物理AIとロボティクス分野の大幅強化
Isaac GR00T N1.7は、ヒューマノイドロボット専用に設計されたオープン推論視覚言語行動(VLA)モデルで、商用展開が可能なレベルに到達している。Cosmos 3は、合成世界生成、物理AI推論、行動シミュレーションを統合した初の世界基盤モデルとして、複雑な環境での物理AI動作を支援する。 Humanoid、LG Electronics、NEURA、Noble MachinesがIsaac GR00T N1.7を採用してヒューマノイドロボットの展開を拡大している。HCLTech、Johnson & Johnson MedTech、Milestone Systems、The Toyota Research InstituteなどがCosmos 3を活用して物理AIトレーニングとビデオ分析を加速している。
POINT
Google DeepMind、EMBL、ソウル大学との共同研究で約3000万の蛋白質複合体予測を計算し、新GPU加速シミュレーションエンジンnvQSPは従来のCPUシミュレーションより最大77倍高速化を実現
創薬AI革命を牽引するProteina-Complexa
Proteina-Complexaは、構造ベース創薬と治療薬開発を加速する蛋白質バインダー設計用生成モデルだ。NVIDIA、Google DeepMind、EMBL欧州バイオインフォマティクス研究所、ソウル大学の共同研究により、約3000万の蛋白質複合体予測を計算し、そのうち170万の高信頼度予測をAlphaFoldデータベースに追加した。 Novo Nordisk、Viva Biotech、Manifold Bioは既に新しいProteina-Complexaモデルで生成された蛋白質バインダーをテストしている。新たなGPU加速シミュレーションエンジンnvQSPは、ベンチマークテストで従来のCPUシミュレーションより最大77倍高速な性能を実現し、製薬研究者が臨床試験前に数百の投与シナリオを分析することを可能にする。
AITAKE編集部の見方
NVIDIAの今回の発表は、単なる新モデルリリースを超えた戦略的な意味を持つ。オープンモデル戦略により、同社はGPUハードウェアを超えてAIソフトウェアスタック全体での優位性確立を狙っている。特に注目すべきは、エージェントAI、物理AI、創薬AIという3つの重要分野を同時に押さえた点だ。 企業の実導入が既に始まっていることも重要な指標である。CodeRabbit、CrowdStrike、ServiceNowなどの主要企業がNemotronモデルを採用し、LG ElectronicsやToyotaが物理AI分野で協力している事実は、これらのモデルが単なる研究段階を超えて商用可能なレベルに達していることを示している。日本企業にとっても、これらのオープンモデルを活用した独自AI開発の機会が大幅に拡大したと言える。
Source: NVIDIA Corporation