マスク氏3日間証言でOpenAIに1340億ドル請求
イーロン・マスク氏がOpenAIとサム・アルトマン氏を相手取った訴訟で、3800万ドルの寄付が8500億ドルの営利企業に変わったと主張。「慈善団体は盗めない」と証言台で強調。

マスク氏が3日間にわたって証言
イーロン・マスク氏のOpenAIとサム・アルトマン氏に対する裁判は最初の1週間で3日間の証言が行われ、1340億ドルの損害賠償請求が注目を集めている。オークランドの連邦地裁で開かれている裁判で、世界一の富豪であるマスク氏は証言台から繰り返し「慈善団体は盗めない」と主張した。 マスク氏は2024年にOpenAIのCEOサム・アルトマン氏と同社社長グレッグ・ブロックマン氏を提訴し、両者が2015年に設立した組織の創設理念に背いたと主張している。OpenAIは人類の利益のためにAIを安全で透明に開発するという明確な約束を持つ非営利組織として設立された。マスク氏は2018年に取締役を辞任するまでに約3800万ドルを寄付したが、アルトマン氏とブロックマン氏が慈善寄付を利用して現在8500億ドル以上の価値を持つ民間企業を構築したと主張している。
1340億ドル賠償請求の背景
マスク氏の弁護士団は1月の申し立てで、顧客は共同被告であるMicrosoftを含むOpenAIから最大1340億ドルの損害賠償を受けるべきだとした。マスク氏のチームは現在、「不正に得た利益」はOpenAIの財団に返還されるべきだとしている。マスク氏はまた、アルトマン氏とブロックマン氏の職務からの解任と、OpenAIの営利転換と再編の「巻き戻し」を求めている。 マスク氏の弁護士は2015年のOpenAI創設憲章を証拠として提示し、同社が「公共の利益のためのオープンソース技術」の創造を追求し、「いかなる個人の私的利得のためにも組織されていない」と宣言していたことを示した。「それは特に、いかなる個人も利益を得ない慈善団体であることを意図されていた」とマスク氏は証言した。
POINT
OpenAIの企業価値は3月に8520億ドルに達し、人類史上最も価値の高い未上場企業となった。マスク氏は自身の3800万ドルの寄付が営利企業の構築に悪用されたと主張している。
OpenAI側の反論と今後の展望
OpenAI側の弁護士はサヴィット氏が陪審員に対し「我々がここにいるのは、マスク氏がOpenAIで思い通りにならなかったからです。それが起こったことです。彼は辞めて、彼らは確実に失敗すると言った。しかし私の依頼人は彼なしに成功する勇気を持っていた」と述べた。 アルトマン氏側はマスク氏が10億ドルの約束を果たさなかったこと、そしてアルトマン氏と共同創設者のグレッグ・ブロックマン氏、イリヤ・サツケヴァー氏がマスク氏にOpenAIの制御を許可することやテスラに吸収することを拒否した際に辞任したことを指摘している。ゴンザレス・ロジャース判事は手続きを2つの部分に分けることを選択した:違法行為が発生したかどうかを判断する責任段階と、適切な結果と次のステップを決定する救済段階である。判事は前者が5月21日までに終了することを期待している。
AITAKE編集部の見方
この訴訟は単なる企業間の争い以上の意味を持つ。AIの未来を形作る2人の巨人の対立は、技術の商業化と公共の利益のバランスという根本的な問題を提起している。OpenAIが3月に8520億ドルの評価額で1220億ドルの資金調達を完了した中で、この訴訟の結果は同社のIPO計画にも大きな影響を与える可能性がある。 マスク氏の主張が認められれば、AI業界全体の企業構造や投資パターンに波及効果をもたらし、ミッション・ドリブンなAI研究所への投資方法を根本的に見直すことになるだろう。一方で、技術の急速な進歩と競争激化の中で、非営利の制約が革新を阻害するリスクも無視できない。この裁判は、AI時代における企業の責任と社会への貢献のあり方を問う重要な試金石となっている。
Source: CNBC