Meta、ついに新AI「Muse Spark」発表 — アレクサンドル・ワング率いるチームの初作品
MetaがSuperintelligence Labsによる初のAIモデル「Muse Spark」を発表。143億ドルでScale AI買収後、OpenAIやAnthropicと肩を並べる性能を実現したと主張している。

MetaがMuse Sparkを発表
Meta Platformsは4月8日、新AIモデル「Muse Spark」を発表した。これは同社のMeta Superintelligence Lab(MSL)による初の成果で、コードネーム「Avocado」として過去9ヶ月間、アレクサンドル・ワング率いるチームによって開発された。 Metaによると、Muse SparkはOpenAI、Anthropicらの競合モデルとの性能差を大幅に縮めるものだという。このモデルは即座にMeta AIアプリとMeta.aiウェブサイトでのクエリを支援し、今後はFacebook、Instagram、WhatsAppにも展開予定となっている。
アレクサンドル・ワングの手腕
Metaはアレクサンドル・ワング(28歳)を初のチーフAIオフィサーに任命し、143億ドルのScale AI買収と新設の「Meta Superintelligence Labs」チームの統括を委ねた。ワングとザッカーバーグは人材獲得競争を展開し、株式を含む数億ドル規模の報酬パッケージを提示してライバルAI企業の研究者を引き抜いた。 重要なのは、Muse Sparkの「熟考モード」がGemini Deep ThinkやGPT Proといった極端推論モデルと競合できる点だ。評価文書では一部カテゴリーでAnthropic、Google、OpenAI、xAIのモデルを上回る結果を示している。
POINT
Muse Sparkは音声、テキスト、画像入力を受け付けるが、出力はテキストのみ。「ショッピングモード」でユーザーの興味や行動データを活用した差別化を図る。
課題と今後の展望
コーディングなど一部領域では、既存モデルとの間にまだギャップがあることを同社も認めている。これまでのAIモデルと異なり、Muse Sparkはオープンソースではないが、将来バージョンのオープン化を検討しているという。 Metaは他のビッグテック企業と同様、AIに数十億ドルを投資しており、2026年の支出は1150億~1350億ドルを見込んでいる。同社はMuse Sparkの発表を、個人向け超知能という広範なビジョンに向けた一歩に過ぎないと位置付けている。
AITAKE編集部の見方
MetaのMuse Spark発表は、AI競争における同社の本気度を示すターニングポイントといえる。143億ドルという巨額投資でScale AIのアレクサンドル・ワングを獲得し、わずか9ヶ月で競合レベルのモデルを開発したことは、組織変革とリーダーシップの力を物語っている。 特に注目すべきは、従来のオープンソース戦略からの転換だ。これまでLlamaシリーズを通じてオープンソースの旗振り役だったMetaが、今回は慎重なアプローチを取っている。これは技術的優位性の確保と商業的価値の最大化を狙った戦略的判断と考えられる。日本のAI業界にとっても、この変化がオープンソースエコシステムに与える影響を注視する必要があるだろう。
Source: Axios