Meta、新AIモデル「Muse Spark」を発表—Superintelligence Labsの初成果
Mark ZuckerbergがAlexandr Wangを招聘し143億ドルを投じて設立したMeta Superintelligence Labsが、初のAIモデル「Muse Spark」をリリース。オープンソース戦略からクローズドソース戦略へと転換を図る。

Metaの巨大投資が結実、新AIモデル「Muse Spark」がデビュー
Metaは4月8日、新AI研究部門「Meta Superintelligence Labs」が開発した初の大規模言語モデル「Muse Spark」(開発コード名Avocado)を発表した。同社は2025年6月にScale AIの49%の株式を143億ドルで取得し、共同創設者兼CEOのAlexandr Wangを初代Chief AI Officerとして招聘していた。 Muse SparkはMeta AIアプリとデスクトップサイトを既に稼動させており、今後数週間でFacebook、Instagram、WhatsApp、Messengerに加え、Ray-Ban Meta AIグラスにも展開される予定だ。この新モデルは、ZuckerbergがLlamaモデルの進展に不満を抱き、OpenAIのChatGPTやAnthropicのClaudeに対抗するため昨年設立されたSupertinelligence Labsの成果物となっている。
オープンソース戦略からの転換
注目すべきは、Muse Sparkがクローズドソースモデルとして設計されており、従来のLlamaシリーズとは対照的に、設計やコードが一般公開されないことだ。同社は「将来のバージョンについてはオープンソース化を検討している」と述べているが、Metaのオープンソース時代が終わりを迎えつつある可能性がある。 Metaは技術ブログで、改良されたAIトレーニング技術と再構築されたインフラにより、旧来のLlama 4モデルと同等の性能を「桁違いに少ない計算コスト」で実現したと説明している。Muse Sparkは「マルチモーダル認識、推論、健康、エージェント機能において競争力のある性能を提供する」という。
POINT
Muse SparkはMetaのAI戦略の大きな転換点を示している。オープンソースからクローズドソースへの転換は、同社が真剣にOpenAI、Google、Anthropicとの競争に臨む意思を表している。
競合他社との性能比較と課題
Metaが公開したベンチマークテストによると、Muse SparkはOpenAI、Anthropic、Googleの主要AIモデルと多くのタスクで競合レベルの性能を示している一方、全領域で上回ってはいない。Meta幹部によると、Muse Sparkは最新技術の水準を示すものではないが、マルチモーダル理解や健康情報処理などの特定タスクで競争力があり、一方でコーディング分野では他社モデルとのギャップが認められるという。 Metaは2026年のAI関連資本支出を1150億〜1350億ドルと予想しており、これは前年のほぼ2倍に相当する。同社株価は発表を受けて9%上昇した。
AITAKE編集部の見方
Muse Sparkの発表は、MetaがAI競争において新たな局面に入ったことを示している。143億ドルという巨額投資とAlexandr Wangの起用は、同社の本気度を表しているが、同時にオープンソース戦略からの転換は大きなリスクも孕んでいる。 Metaの強みは30億人のユーザーベースにあり、Muse Sparkがこの巨大なプラットフォーム上でどの程度の成果を上げられるかが成功の鍵となるだろう。ただし、現時点での性能はOpenAIやAnthropicの最新モデルに及ばない分野もあり、真の競争力を証明するには更なる改良が必要だ。今後6ヶ月から1年の間に、Metaが約束する「より大きなモデル」の性能向上がどの程度実現されるかが注目される。
Source: CNBC