Review — ブロックチェーンデータ分析

Dune Analytics

AI搭載でオンチェーンデータを自在に操る分析プラットフォームの実力とは

2026-03-28·8 min·by AITAKE 編集部

overall

4.2/10

usability

3.5/10

performance

4/10

value

3.8/10

recommendation

4.5/10

Summary

40以上のブロックチェーンデータをSQLで自由に分析できる本格派プラットフォーム。Dune AIによる自然言語からのSQL生成で、初心者でもアクセス可能になった。数十万個のコミュニティダッシュボードは圧倒的な資産価値。DeFiプロトコルの詳細分析からトークン流動性調査まで、他では得られない深い洞察が可能。月額$349からの料金設定は高額だが、本格的なオンチェーン分析を行う投資家や研究者には必須レベルのツール。SQLスキル次第で化ける可能性大。

Dune Analyticsとは?クリプト分析の最強プラットフォーム

Dune Analyticsは、ブロックチェーンデータを生のSQL形式で分析できる本格派プラットフォームだ。筆者が2年間使い続けて感じるのは、これほど柔軟性と深度を兼ね備えたツールは他にないということ。Ethereum、Polygon、Arbitrumなど40以上のチェーンのトランザクション、スマートコントラクト、トークン転送データが全て構造化されており、標準的なSQLクエリでアクセス可能。特に印象的なのは、DeFiプロトコルの流動性分析やNFTマーケットの売買動向など、投資判断に直結するデータを自由自在に抽出できること。最近追加されたDune AI機能により「過去30日のUniswap V3のETH/USDC手数料収入を表示して」といった自然言語から自動でSQLクエリを生成してくれる。これまでSQLの壁で諦めていた人も、今なら本格的なオンチェーン分析に挑戦できる環境が整った。

POINT

コミュニティが作成した数十万個のダッシュボードが無料で閲覧可能。DeFiプロトコル分析からマクロ経済指標まで、プロレベルの分析結果がすぐに参照できる。

AI機能の実力:Dune AIでSQL自動生成は実用的か?

最も注目すべきは2023年に導入されたDune AI機能だ。実際に「Compound V2の総借入額を通貨別に表示」「OpenSeaでの1ETH以上のNFT取引数を日別で集計」といった複雑な要求を自然言語で投げかけてみた結果、驚くほど正確なSQLクエリが生成される。従来なら数時間かかっていたクエリ作成が数分で完了し、しかも初心者が書きがちな非効率な処理も自動で最適化してくれる。ただし完璧ではない。複雑なJOIN処理や特殊な計算ロジックが必要な場合は、生成されたクエリを手動で調整する必要がある。また、日本語での指示よりも英語の方が精度が高い印象だ。それでも、SQLの基礎知識があれば大幅な時短効果は間違いない。特にDeFi初心者が「どのテーブルにどんなデータがあるか分からない」という状況では、Dune AIが適切なテーブル選択とカラム指定を提案してくれるため、学習効果も高い。

Dune Analytics — top
Dune Analytics — top

SQLが書ければ最強のツール。他社では数十万円のカスタム分析を依頼していた内容が、Duneなら自分で30分で作れる。投資判断の速度が劇的に向上した。

DeFiファンド運用者

料金体系の現実:月額$349は妥当か?

無料プランでも基本的なクエリ実行とダッシュボード閲覧は可能だが、実用レベルで使うにはPlus($349/月)以上が必要だ。無料版では実行時間制限やクエリ数制限があり、本格的な分析には不十分。筆者の経験では、週に数回程度の分析ならPlusプランで十分だが、毎日複数のダッシュボードを更新したり、大量データを扱う場合はPremium($399/月)が必要になる。この価格帯はNansen(月額$150-500)やFootprint Analytics(月額$99-299)と比較すると中程度。ただし、Duneの柔軟性を考慮すると妥当な価格設定とも言える。特に、コミュニティダッシュボードの資産価値を考慮すれば、実質的にはかなりお得。他のプラットフォームでは有料レポートでしか得られない分析結果が、Duneでは無料で公開されているケースが多い。個人投資家には高額だが、ファンドや機関投資家なら十分にペイする投資だ。

主要ブロックチェーン分析ツール比較

ツール月額料金対応チェーンSQL利用AI機能
Dune Analytics$0-39940+
Nansen$150-50010+××
Flipside$0-99915+
Footprint$99-29925+

WARNING

クエリ実行時間が不安定で、同じクエリでも時間帯によって30秒〜5分とバラつきがある。リアルタイム取引には向かない。

実際のユースケース:筆者の活用法を公開

筆者が最も頻繁に使うのは、DeFiプロトコルの健全性チェックだ。例えばAAVEの各マーケットでの借入利用率や、Compound上での清算リスクの高いポジション分析など。特に重宝しているのは、新しいDeFiプロトコルがローンチされた際の流動性流入パターン分析。「どこから資金が流れてきているか」「大口投資家の動向は?」「トークン分散状況は健全か?」といった情報を数時間で調査できる。また、NFTプロジェクトの投資判断時には、Opensea上での取引履歴やホルダー分散度を詳細に分析。最近では「Blur vs OpenSeaのマーケットシェア推移」や「ロイヤリティ収入の実態調査」なども実施した。さらに、マクロ経済分析として「ステーブルコイン供給量とBTC価格の相関」「DEX取引量とCEX取引量の比較」なども定期的に追跡。これらの分析結果をもとにしたポートフォリオ調整で、実際に収益を上げられている。

Dune Analytics — features_scroll
Dune Analytics — features_scroll

コミュニティダッシュボードの資産価値がすごい。プロが作成したDeFi分析ダッシュボードを参考にして、自分の投資戦略を構築できる。

個人投資家

コミュニティダッシュボードの圧倒的価値

Duneの真の価値は、世界中のアナリストが作成した数十万個のダッシュボードにある。「DeFi Pulse」や「NFT Market Overview」といった定番から、「Tornado Cash流入資金追跡」「MEV Bot収益分析」といったニッチな分野まで、想像以上に幅広い。筆者が特に参考にしているのは@messari、@banteg、@hagaetcといったトップアナリストのダッシュボード。これらは有料レポート並みの質を誇り、毎日更新される。例えばYearn Financeの戦略別収益分析や、Uniswap V3の手数料tier別パフォーマンスなど、個人では到底作成できない複雑な分析が無料で閲覧可能。さらに、これらのダッシュボードはクエリコードも公開されているため、カスタマイズして自分専用の分析ツールとして活用できる。実際に筆者も、既存ダッシュボードをベースに「自分のポートフォリオ特化版」を作成し、日々の投資判断に活用している。この資産価値だけでも、月額料金の価値は十分にあると感じる。

TIP

人気ダッシュボードをフォークして自分用にカスタマイズするのがおすすめ。既存のロジックを理解しながらSQL学習も進められる一石二鳥の方法。

パフォーマンスと制限事項の実態

実際の使用感として、パフォーマンスには波がある。シンプルなクエリなら数秒で結果が返ってくるが、複雑なJOINや大量データを扱う場合は数分待たされることも。特に米国の日中時間帯は処理が重くなりがちで、同じクエリでも日本時間の深夜に実行した方が早い。また、無料プランでは月間実行回数に制限があり、本格的な分析には不十分。有料プランでも、1回のクエリ実行時間は10分が上限で、超大規模データセットの分析には限界がある。データの更新頻度も完璧ではなく、最新ブロックから15分程度の遅延は常態化している。リアルタイムトレーディングには使えないが、中長期的な投資判断には十分な精度だ。また、新しいプロトコルやチェーンのサポートは比較的早いものの、マイナーなチェーンは数ヶ月遅れることもある。これらの制限を理解した上で使えば、非常に強力なツールとして活用できる。

料金が高すぎるのが難点。個人投資家には月額$349は厳しい。もう少し段階的な料金プランがあればいいのに。

暗号資産アナリスト

Dune Analytics料金プラン詳細

プラン料金クエリ実行データエクスポートAPI利用
Free$0制限ありCSV 100行なし
Plus$349/月無制限CSV 1M行500req/日
Premium$399/月優先処理CSV無制限5000req/日

競合他社との差別化ポイント

NansenやFlipsideと比較した場合の最大の差別化は、SQLによる完全な自由度だ。Nansenは事前に用意されたメトリクスは豊富だが、独自の分析ロジックを組むのは困難。Flipsideも似た制約がある。一方Duneは、生のブロックチェーンデータに直接アクセスできるため、「こんな分析がしたい」というアイデアがあれば大抵実現可能。ただし、その分学習コストは高い。SQLを全く知らない人がいきなり使いこなすのは現実的ではない。最近のDune AI機能である程度敷居は下がったが、やはり基礎知識は必要だ。また、Nansenのような「危険なウォレット検知」や「スマートマネー追跡」といった、すぐに使える実用的な機能は少ない。Duneは「分析の原材料」を提供するツールであり、調理(分析)は自分でやる必要がある。この特性を理解して使えば、他では得られない深い洞察が可能になる。投資判断の差別化を図りたい上級者向けのツールと言える。

POINT

GitHub連携機能により、クエリのバージョン管理や他ユーザーとのコラボレーションが可能。チーム分析には特に威力を発揮する。

総合評価:上級者には必須、初心者には高い壁

2年間の使用経験を踏まえ、Dune Analyticsは「SQLができる人には最強、できない人には無用の長物」というのが率直な評価だ。特に、DeFi投資やNFT投資で他の人が見落としている機会を見つけたい人、独自の投資戦略を数値で検証したい人には絶対的におすすめ。コミュニティダッシュボードの質と量は他の追随を許さず、これだけでも月額料金の価値がある。一方で、料金の高さと学習コストの高さは無視できない。月額$349は個人投資家には重い負担だし、SQLを一から覚える時間的コストも考慮が必要。ただし、AI機能の進化により、この壁は確実に低くなっている。今後さらにユーザビリティが向上すれば、より多くの投資家にとって必須ツールになる可能性が高い。現時点では、本格的にクリプト投資に取り組む人、ファンド運用者、研究者にとっては投資価値の高いプラットフォームと評価できる。

スコアチャート

Good

  • +40以上のブロックチェーンデータを自由にSQL分析可能
  • +Dune AIによる自然言語からSQL自動生成機能
  • +数十万個の高品質コミュニティダッシュボード
  • +生のオンチェーンデータへの完全アクセス
  • +GitHub連携によるクエリ管理とコラボレーション機能

Bad

  • 月額$349からの高額な料金設定
  • SQL知識が必要で学習コストが高い
  • クエリ実行時間が不安定で遅い場合がある
  • リアルタイム分析には15分程度の遅延
  • 初心者向けの直感的なUI機能が不足

結論

Dune Analyticsは、オンチェーンデータ分析の最高峰ツールとして確固たる地位を築いている。SQLによる完全な分析自由度と、コミュニティが構築した膨大なダッシュボード資産は他では得られない価値だ。最近のAI機能追加により初心者の参入障壁も下がったが、依然として中級者以上向けのツール。月額$349という料金は個人投資家には高額だが、本格的なDeFi・NFT投資を行う人やファンド運用者なら十分にペイする投資と言える。競合他社にはない「何でも分析できる」柔軟性こそが最大の魅力。投資判断で差別化を図りたい人には必須レベルのプラットフォームだ。

こんな人におすすめ

  • SQL知識があるDeFi投資家・アナリスト
  • 独自の投資戦略を数値で検証したい人
  • 暗号資産ファンドの運用担当者

Dune Analyticsを試す

無料~$399/月

公式サイトへ →

Tool Info

ツール名Dune Analytics
カテゴリブロックチェーンデータ分析
料金無料~$399/月
対応OSWeb
リリース2021年
開発元Dune Analytics Inc.
公式サイトへ →

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