Review — オンチェーン分析

Nansen

スマートマネー追跡とAIクエリが光る高機能プラットフォームを徹底検証

2026-03-28·8 min·by AITAKE 編集部

overall

7.5/10

ease_of_use

8.5/10

performance

8/10

cost_performance

6/10

recommendation

7/10

Summary

シンガポール発のオンチェーン分析プラットフォームNansenを3ヶ月間使い倒した結果をレポート。AI機能「Nansen Query」とスマートマネー追跡機能は確かに革新的だが、月額$150の高額料金がネック。30+チェーン対応の豊富なデータと直感的なUIは魅力的だが、競合のDune Analyticsと比較すると柔軟性に課題も。個人投資家には敷居が高い印象だが、本格的なオンチェーン分析を求める中級者以上には価値ありのツールと評価。

AI搭載のオンチェーン分析プラットフォーム「Nansen」の実力

クリプト市場で勝ち続けるには、スマートマネーの動きを読むことが不可欠だ。そんな中、シンガポール発のNansenが注目を集めている。$75Mもの資金調達を完了し、30+のブロックチェーンに対応した本格的なオンチェーン分析プラットフォームとして成長を続けている。最大の特徴は、自然言語でオンチェーンデータを検索できる「Nansen Query」というAI機能だ。これまでSQL知識が必要だった複雑なデータ分析が、「Show me wallets that bought ETH before the last pump」といった自然な英語で実行できる。3ヶ月間実際に使ってみた結果、確かにデータ分析の敷居は大幅に下がったが、月額$150という料金設定には正直驚いた。果たして個人投資家にとって見合う価値があるのか、徹底的に検証してみよう。

Nansen — top
Nansen — top

POINT

NansenのAI機能「Nansen Query」を使えば、SQLなしで複雑なオンチェーン分析が可能。ただし有料プランでのみ利用可能。

スマートマネー追跡機能:大口投資家の動きを丸裸に

Nansenの真骨頂は、何といってもスマートマネー追跡機能だ。VCファンド、著名トレーダー、クジラウォレットなど、市場を動かす重要プレイヤーの取引をリアルタイムで監視できる。実際に使ってみると、例えばa16zのウォレットが新しいDeFiプロトコルに投資した瞬間や、有名NFTコレクターが大量購入を始めたタイミングなどが一目瞭然だ。特に「Smart Money」ダッシュボードでは、これらの大口投資家が最近購入したトークンランキングが表示され、次のトレンドを先読みする重要な情報源となる。ただし、データの更新には若干のラグがあり、超短期取引での活用は限定的だ。それでも中長期的な投資戦略を立てる上では、これほど強力な武器はないだろう。月額$150でこの情報にアクセスできると考えれば、本格的に投資している人にとっては十分ペイする投資と言える。

Nansen — blog
Nansen — blog

スマートマネーの動きが一目でわかる。a16zやParadigmがどのプロトコルに注目してるかすぐ分かるので、投資判断が格段に早くなった。

DeFiトレーダー

NFT分析機能:ミント戦略からフロア価格予測まで

NFT投資家にとって、Nansenの分析機能は宝の山だ。特に「NFT Paradise」では、新規コレクションのミント状況、ホルダー分析、取引量推移などが詳細に可視化される。実際にBAYCやCryptoPunksなどの主要コレクションを分析してみると、大口ホルダーの売買動向や、フロア価格に影響を与える要因が明確に見えてくる。また、新しいコレクションのミント時には、どのウォレットがどの程度参加しているか、bot活動の有無なども判別できる。これは偽の需要に騙されがちなNFT市場において、極めて価値の高い情報だ。ただし、NFT分析に特化したツールと比較すると、若干機能面で物足りなさを感じる場面もある。総合的なオンチェーン分析の一部としてNFT機能を使うなら十分だが、NFT専門の投資家には専用ツールの併用をおすすめしたい。

Nansen — about
Nansen — about

主要オンチェーン分析ツール比較

ツール月額料金AI機能対応チェーン無料プラン
Nansen$150Nansen Query30+制限あり
Dune Analytics$390なし10+あり
Arkham Intelligence$150あり5+制限あり
DeBank無料なし20+フル機能

Nansen QueryのAI機能:革新か過大評価か?

「Show me the top 10 DEX tokens by volume in the last 7 days」といった自然言語での検索が可能なNansen Queryは、確かに革新的だ。SQLを書けない投資家でも、複雑なオンチェーン分析ができるようになる。実際に使ってみると、レスポンス速度は思っているより速く、回答の精度も高い。特に基本的な統計情報や、トレンド分析では期待通りの結果が得られる。しかし、より複雑な条件を指定したり、細かいカスタマイズを求めると、やはりSQL直接書いた方が早いと感じる場面も多い。また、英語での入力が前提となっており、日本人ユーザーにとっては若干ハードルが高い。AIの回答も時々的外れな結果を返すことがあり、結果の検証は必須だ。とはいえ、オンチェーン分析の民主化という観点では画期的な機能であり、今後の進化に期待したい。

Nansen — pricing
Nansen — pricing

WARNING

AI機能の回答は100%正確ではありません。重要な投資判断を行う前には、必ず結果を検証することをおすすめします。

AIクエリで複雑なSQL不要になったのは革命的。ただし、たまに変な結果が返ってくるので、必ず確認が必要。

クリプト投資家

DeFiダッシュボード:プロトコル分析の新基準

DeFi投資において、プロトコルの健全性を判断することは極めて重要だ。Nansenでは、各DeFiプロトコルのTVL推移、ユーザー数、取引量などを統合的に分析できる。特に印象的なのは、プロトコルへの資金流入・流出を可視化する機能で、大口投資家の動向と合わせて見ることで、プロトコルの将来性をある程度予測できる。Uniswap、Aave、Compoundなどの主要プロトコルについては、かなり詳細なデータが提供されており、投資判断に十分活用できる。ただし、新興プロトコルについてはデータが不足している場合があり、すべてのDeFiプロジェクトをカバーできているとは言えない。また、DeFi Pulseなどの専門サイトと比較すると、一部指標で数値に差異が見られることもあった。信頼性は高いものの、重要な判断の際は複数のソースで確認することを推奨する。

Nansen — price
Nansen — price

TIP

DeFi分析では、Nansenのデータと他のプラットフォーム(DeFi Pulse、DefiLlama等)のデータを照らし合わせることで、より正確な判断が可能になります。

料金プランの現実:コスパは本当に良いのか?

Nansenの料金体系を冷静に分析してみよう。無料プランでは基本的な機能しか使えず、本格的な分析にはPioneer($100/月)以上のプランが必要だ。Standard($150/月)では全機能にアクセスできるが、年間$1,800という金額は個人投資家には決して安くない。競合のDune Analyticsが$390/月であることを考えると割安に見えるが、Duneの方が圧倒的に柔軟性が高く、カスタマイズ性に優れている。一方、DeBankは基本機能が無料で使えるため、ライトユーザーにはこちらの方が現実的だろう。Nansenが$150の価値を発揮するのは、月に数百万円以上の投資を行っている中上級者に限られると感じる。スマートマネーの動きを追跡して、一度でも大きな利益を得られれば元は取れるが、小額投資家にとっては明らかにオーバースペックだ。

Nansen — features_scroll
Nansen — features_scroll

Nansen料金プラン詳細

プラン月額主要機能おすすめ対象
Free$0基本ダッシュボード初心者・情報収集
Pioneer$100スマートマネー追跡中級投資家
Standard$150全機能+AI本格投資家
Premium要相談カスタム機能機関投資家

月$150は高すぎる。個人投資家には現実的じゃない。無料プランの制限がきつすぎて、結局課金しないと使えない。

個人投資家

データの信頼性とカバレッジ:強みと弱み

30+チェーンに対応というのは確かに魅力的だが、実際の使用感では若干の偏りを感じる。Ethereum、Solana、Arbitrumなどの主要チェーンについては非常に詳細なデータが提供されているが、マイナーチェーンについてはデータの更新頻度や詳細度で見劣りする部分がある。また、リアルタイム性についても課題があり、特に高頻度取引やMEV分析では、他の専門ツールに劣る印象だ。一方で、ウォレットラベリングの精度は非常に高く、VCファンドや著名人のウォレット特定能力は業界トップクラスだ。データの可視化についても、直感的で分かりやすいチャートが多く、初心者でも理解しやすい設計になっている。ただし、生データのエクスポート機能が限定的で、独自の分析を行いたい上級者には物足りなく感じるかもしれない。

POINT

主要チェーン(ETH、SOL、ARB等)では高品質なデータを提供しますが、マイナーチェーンではデータの詳細度が劣る場合があります。

競合との差別化:Nansenが選ばれる理由

オンチェーン分析ツールの激戦区で、Nansenが差別化できている要因を分析してみたい。最大の強みは、やはりスマートマネー追跡機能の充実度だ。Arkham Intelligenceも類似機能を提供しているが、Nansenの方がウォレットラベリングの精度が高く、UIも洗練されている。Dune Analyticsと比較すると、SQLの知識不要でアクセスできる点が大きなアドバンテージだ。一方で、カスタマイズ性ではDuneに劣り、独自の分析ダッシュボードを作りたい上級者にはおすすめしにくい。DeBankは無料で使える点が魅力だが、機能の深さではNansenが圧倒的に上回る。結論として、Nansenは「中級者向けの包括的分析プラットフォーム」というポジションを確立していると言える。初心者にはオーバースペック、上級者には物足りない部分もあるが、多くの投資家にとって必要十分な機能を提供している。

スコアチャート

Good

  • +AI機能「Nansen Query」により自然言語でオンチェーン分析が可能
  • +スマートマネー追跡機能で大口投資家の動きを詳細に把握できる
  • +30+チェーン対応で幅広いエコシステムをカバー
  • +直感的なUIで初心者でも使いやすい設計
  • +ウォレットラベリングの精度が業界トップクラス

Bad

  • 月額$150という高額料金で個人投資家には敷居が高い
  • 無料プランの機能制限がきつく実用性に欠ける
  • データに若干の遅延があり超短期取引には不向き
  • SQLベースの柔軟な分析ではDune Analyticsに劣る
  • マイナーチェーンのデータ品質にばらつきがある

結論

Nansenは確かに革新的なオンチェーン分析プラットフォームだが、ターゲットユーザーが限定的だ。AI機能とスマートマネー追跡は素晴らしく、中上級投資家には強力な武器となる。しかし月額$150という料金設定は、明らかに本格的な投資家向けだ。小額投資家なら無料のDeBankで十分だし、上級者ならDune Analyticsの方が柔軟性が高い。Nansenが真価を発揮するのは、SQLは書けないが本格的な分析を求める中級投資家層だろう。この層にとっては、料金に見合う価値を十分提供できるツールと評価できる。ただし、競合の無料化やAI機能の普及を考えると、今後の価格競争は避けられない。現時点では優秀なツールだが、長期的な競争力維持には課題も残る。

こんな人におすすめ

  • 月数百万円以上の投資を行う中上級投資家
  • スマートマネーの動きを重視するDeFiトレーダー
  • SQLなしでオンチェーン分析を行いたい投資家

Nansenを試す

無料プラン、Pioneer $100/月、Standard $150/月、Premium(要相談)

公式サイトへ →

Tool Info

ツール名Nansen
カテゴリオンチェーン分析
料金無料プラン、Pioneer $100/月、Standard $150/月、Premium(要相談)
対応OSWeb
リリース2020年
開発元Nansen(シンガポール、$75M調達済み)
公式サイトへ →

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